2024-05-31(金)第05回 研究発表

河目悌二画「虐殺絵」(国立歴史民俗博物館蔵)

1.アイス・ブレイク
 ゼミ生同士の親交を深めるため、自己紹介などをして歓談しましょう。
 研究発表や新聞発表の後のグループワークでは雑談はやめましょう。

2.研究発表とグループワーク⑴

研究テーマ⑴ 歴史修正主義(担当:2班)
 欧米では、戦後、ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人に対するジョノサイド)などなかったというなどと主張する人々が現れました。こうした歴史を否定し、反省や責任を回避しようとする考え方を「歴史修正主義」(historical revisionism)と呼んでいます。
 朝鮮出身の元慰安婦だった宋神道さんは、裁判の中でこう訴えたといいます。「日本に住む朝鮮人の子どもと日本人の子どもが仲良くするためにも、過去の過ちはきちんと反省して、申し訳なかったと謝罪してほしいのです。」この慰安婦問題にみられるように、歴史を否定することは、問題の早期解決を困難にし、歴史の当事者でない若い世代に禍根を残すことになります。
 では、日本ではいまどのような「歴史修正主義」の活動が起こっているのでしょうか。下記の映像資料を参考に、新聞データベースを活用して調べてみましょう。

参考資料

3.研究発表とグループワーク⑵

研究テーマ⑵ 選択的共感(担当:4班)
 昨年10月、イスラエルはパレスチナ武装勢力ハマスの攻撃を受け、市民1200人が殺害され、数百人が人質として拉致されました。イスラエル政府はその報復として、ガザ地区への攻撃を開始し、これまでにパレスチナの市民3万5000人以上が亡くなっています。
 国際刑事裁判所(International Criminal Court)は、検察官は20日に声明を発表し、戦争犯罪や人道に対する犯罪の疑いで、イスラエルとハマスの双方の合わせて5人に逮捕状を請求すると明らかにしました。
 ところが、米国ではバイデン大統領が逮捕状の請求は「とんでもないこと」で、「イスラエルとハマスの間に等価性はない、まったくない」と国際刑事裁判所を非難し、また一部の議員は「アメリカとその同盟国の被保護者」に対する裁判を中止しない限り、その裁判に関わる国際刑事裁判所関係者のアメリカ入国を阻止し、現在保持しているアメリカのビザ(査証)を剥奪し、国内での財産取引を禁止するという法案を提出しています。
 イスラエル人とパレスチナ人の犠牲には同じ価値はなく、国際法に違反したこの行為を裁こうとする国際刑事裁判所――日本もその締約国の一つです――の関係者に制裁を加えようというのです。
 こうした偏った他者への共感を「選択的共感」(selective empathy)と呼んでいます。
 かつて日本でも関東大震災に際、同じく被災した朝鮮の人々に対して、援助ではなく、大量殺害という行為が行われたことがありました。こうした過去を反省することなく、いまでも朝鮮にルーツを持つという理由だけでヘイトスピーチを繰り返す人々がいます。
 人種差別(racism)、女性差別(sexism)、老人差別(ageism/agism)、いま日本で起こっている「選択的共感」にはどのようなものがあるのでしょうか。下記の映像資料を参考に、新聞データベースを活用して調べてみましょう。

参考資料

4.合宿について

5.今後の研究発表

研究テーマ⑶
 韓国の人々の対日イメージに大きな影響を与えた歴史上の人物にどのような人がいるのか?(担当:1班)

研究テーマ⑷ 日本人の対朝鮮イメージに大きな影響を与えた「神功皇后伝説」とは?(担当:3班)

法政大学国際文化学部鈴木靖研究室