第12回 元寇を止めろ!
唐王朝が滅んだ後、中国は征服王朝の時代を迎えます。契丹族の遼は宋の北辺、女真族の金は華北、そしてモンゴル族の元は遂に中国全土を支配しました。
こうした中、元寇すなわちモンゴルによる日本侵攻が起こるわけですが、実はこれは突然起こったことではありませんでした。モンゴルは第一回侵攻(文永の役)の6年前から5回にわたって使節を派遣し、日本に通交を求めていたのです。
この使節の一人に趙良弼という人がいました。趙という姓ですが、漢族ではありません。女真族朮要甲氏の出身ですが、金の鎮国大将軍であった曾祖父祚の代に、漢人が「朮要甲」を「趙家」と読んだところから、この姓に改めたといいます。
参考資料
- 山本光朗「趙良弼について(一)」(『北海史論』第20号 2000年)
- 山本光朗「趙良弼と元初の時代」(『アジア史学論集』第4号 2011年)
- 山本光朗「趙良弼撰『黙庵記』について」(『史流』第41号 2004年)
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