授業の概要と目的(何を学ぶか)
中国や台湾、韓国などアジアの人々の対日イメージと、日本人自身が抱く自己イメージとの間には大きな違いがあり、良好な近隣関係を築く上での障害となっている。
この授業では「アジアから見た日本」をテーマに、これらの国や地域と日本との政治的関係や文化的交流の歴史を概観するとともに、アジアの人々の対日イメージに大きな影響を与えた事件や人物に焦点を当て、それらが日本やアジアの国や地域でどのように語られてきたか、また、いまどのように伝えられているかを学ぶ。
授業の進め方
昨年度秋学期に制作した web サイト「日中交流の史跡と文化」に続き、今年度は「日韓交流の史跡と文化」と「日台交流の史跡と文化」を制作する。
春学期は日本と朝鮮半島、秋学期は日本と台湾の歴史に関する書籍の輪読発表とグループワークを行い、いまも両地域の人々の対日イメージに大きな影響を与えている歴史について学ぶとともに、関連するテーマに関する共同研究を行い、その結果を webサイト上にまとめ、インターネットを通じて内外に発信していく。
課題や発表に対するフィードバックの方法としては、受講生全員が参加する LINE のグループを用意し、これを通じて全員または個別にフィードバックを行う。
テキスト
- 春学期‥吉野誠『東アジア史のなかの日本と朝鮮』(明石書店 2004年)
- 秋学期‥若林正丈『台湾の歴史』(講談社学術文庫 2023年)
参考資料
- 国立国会図書館デジタルコレクション
輪読発表や共同研究には、同コレクションの資料を利用する。資料には、①ログインなしで閲覧可能なもの、②送信サービスで閲覧可能なもの、③国立国会図書館内限定のものの3種がある。①、②はインターネットを通じて自宅でも閲覧できるので、授業開始までに下記のページで利用者登録を行っておくこと。
国立国会図書館サーチ
https://ndlsearch.ndl.go.jp - 日韓歴史共同研究報告書(第2期)(公益財団法人 日韓文化交流基金)
日韓歴史共同研究報告書(第2期)日韓文化交流基金は、日韓両国民間の文化交流を強化し、相互理解と信頼関係を築くことを目的に、1983年12月に設立されました。以来、両国民間の人的交流及び学術・文化交流を深めるための事業を実施しています。
春学期
回 | 月日 | 内容 | 輪読 | 新聞 |
1 | 4/12 | ガイダンス(学習目標の設定・担当の割り当て)・ゼミ懇親会 | ||
2 | 19 | Ⅶ 近代日本の朝鮮侵略②――日露戦争から植民地支配まで | 1 | 2 |
3 | 26 | Ⅶ 近代日本の朝鮮侵略①――明治維新から日清戦争まで | 3 | 4 |
4 | 5/10 | 春のフィールドワーク | ||
5 | 17 | Ⅵ 江戸時代の日本と朝鮮――蔑視と交隣 | 2 | 1 |
6 | 24 | V 室町時代・織豊政権期の日本と朝鮮――敵対と融和 | 4 | 3 |
7 | 31 | 研究発表 | ||
8 | 6/7 | Ⅳ 平安・鎌倉時代の日本と高麗――自尊と憧憬 | 1 | 2 |
9 | 14 | Ⅲ 日本の成立と新羅・渤海――理念と現実 | 3 | 4 |
10 | 21 | 研究発表 | ||
11 | 28 | Ⅱ 倭の王権と朝鮮三国――虚像と実像 | 2 | 1 |
12 | 7/5 | Ⅰ 日本列島の原始社会と朝鮮半島 | 4 | 3 |
13 | 12 | 研究発表 | ||
14 | 19 | 夏のフィールドワーク |
夏の勉強会と合宿
月日 | 内容 | 場所 |
8/2,18,28 | 映像制作勉強会 | オンライン |
秋学期
回 | 月日 | 内容 | 輪読 |
1 | 9/20 | 日本の安全保障の現状から考える「台湾有事」 | – |
2 | 27 | 近代以前の台湾 (テキスト pp.11-37) | 1 |
3 | 10/4 | 清末から日本統治時代 (テキスト pp.38-57) | 2 |
4 | 11 | 研究発表準備日 | |
5 | 18 | 植民地支配からの解放とニ・ニ八事件(テキスト pp.58-79) | 3 |
6 | 25 | 冷戦時代の台湾 (テキスト pp.80-110) | 4 |
7 | 11/8 | 研究発表準備日 | |
8 | 15 | 国際的孤立と民主化の胎動(テキスト pp.111-143) | 1 |
9 | 研究発表準備日 | 2 | |
10 | 29 | 憲政改革 (テキスト pp.143-162)、研究発表予行演習 | |
11 | 12/6 | 戒厳令の解除と新党の結成(テキスト pp.163-183) | 3 |
12 | 13 | 冷戦時代の終焉と中台関係(テキスト pp.184-205) | 4 |
13 | 20 | 民主化後の台湾 (テキスト pp.206-231) 今日の台湾 (テキスト pp.232-271) |
1,2,3,4 |
14 | 1/10 | 冬のフィールドワーク |
演習メンバー
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